ギャグでドラマなこの世界

アメリカの大統領選でニュースや話題が持ち切りだった昨日。
インドでは「高額紙幣廃止」という、まさかすぎる、そして急すぎる大ニュースがありました。

 

8日の夜にモディ首相がテレビ演説で、
「9日0時から500ルピー札と1000ルピー札は無効になります。新紙幣に切り替えます」
っていきなり発表しちゃった…!

 

例えばこれを日本に置き換えたとして。
4時間後から、いま手元にある5000円札と10000円札は無効になるからね!
という報せがいきなり届くようなもの。しかもテレビ演説で。

たまたまそれを見ていなかったら、知ることすら出来ない。だけど超大ニュース。

 

というわけで、昨日からインド現地がガヤガヤしている。

わたし自身このニュースを耳にしてすぐに、自分の手元にあるルピーを数えたら、
持ち合わせているのがだいたい5000ルピー(日本円にして約8000円)。
数えた時点で日本時間の9日午前だったので、すでにわたしの5000ルピーはガンジーデザインの紙切れになっていました。

このときにつくづく、「お金って紙切れだよね」と実感したよ。

(インドの銀行口座に旧紙幣を預金すると新紙幣で引き出せるとか、年内いっぱいは銀行で旧→新に両替可能とか、手だてはあるけれど、それ故に銀行やATMが大混雑で大パニックらしい)

わたしは手元にあるのが約5000ルピーだから、この騒動の体験料としたら安いもの。損した…なんていう怒りやがっかり感は全く沸いてこなくて、
とにかくおもしろくて笑ってしまって仕方ない。

 

だって、いきなりこんな大事件が起きちゃうなんて…!
しかも新紙幣の印刷が追いついていないらしいし…!
見切り発車ぶりがひどい。なのに、えいやっ!なノリでやってしまうあたり。まさしく「インドっぽい」ですよ。あぁ痛快。

 

 

この件で、インドの友人たちにやじうま的に連絡をとってみた(←物好きでしょう!)。

そうしたら、
普段は落ち着いている性格の、都会で自分でビジネスをやっている友人はいつになく混乱していてとても忙しそう。メールの返信すらこれまでに見たことがないほど雑(普段はそういうタイプじゃないのに!)。
別の友人は「no worry!明日から新しい紙幣になるだけだよ。古いのおしまい!」という軽いノリ。
地方に住んでいて家にテレビもインターネットもない友人は、「は?なんの話?」という、まさかの知らなかったパターン。

これはみんな北インドの友人で、広いインドにしてはそれほど遠くはないエリアで起きている出来事。
これほどまでに、情報の受け取り方、伝わり方、それをふまえてのその後の行動が異なる。

 

 

これをみて、これはインドで起きている出来事だけれど、
これは世界の縮図なのだろうと思いました。

 

情報の伝わり方には大きな差がある。
知らないことは起きていないことと同じ。

そして同じ情報を受け取っても、
混乱してしまう人もいるし、心配ないね!と捉える人もいる。

 

同じ世界で同じような物を見て、同じような情報を受け取っているようにみえて、
実は全然違うの。

どの情報を見るのか、そしてそれをどう捉えるかは、自分次第。自分で選べること。

 

4時間後から紙幣が使えなくなるよ、という情報に触れて、
パニックになることも、どうしよう…と不安になることも、どうにかなるよね!と安心することもできる。
どのパターンでいくかは自分で選べる。自分で決められること。

 

どんな出来事が起きたとしても、そのさきで、
混乱の世界に身をおくことも安心の世界に身をおくこともできるのよ。

 

アメリカの大統領選だって。
今回の結果を良かった!という人も、ダメだ!という人もいる。

本当に良かったのかダメだったのかなんてわからない。
というかそもそも、良い出来事も悪い出来事もなくて、
それを良かった!とか、悪かった!と決めているのも自分、というだけだからね。

 

大変なことや混乱することもあるけれど、
それだって自分が体験してみたくて、今生この地球に生まれてきている、というだけのこと。

自分が!やりたくて!来てるの。地球に。

 

…と腑に落ちたら、
高額紙幣が使えなくなる大事件、とか、もう本当にギャグですよ。笑

こんなスケール(だって国をあげて、ですよ)の、急転直下の、「えーまさか!」というびっくりする話なんてあまりないよ。
これほどびっくりできる体験なんて、そうそうない。

それを目の当たりにできるなんて、楽しいじゃないですか。
いま銀行に並んで大変な思いをしている友人には申し訳ないけれど(今度あやまっておこうっと)、
ほんとおかしい。

 

 

やっぱりね。
この世界は全体的にギャグなんです。
それはふざけて言っているわけでも、ギャグだからもう投げやりにやっちゃえばいいや…という消極的な気持ちでもなくて、
わたしたち人間の想定をはるかに超えたスケールのなかで、自分がコントロールできる範疇なんてとうに超えたスケールだけれどなるようにはなっていく、うまく作られた世界、ということ。
そのなかで、喜んだり怒ったり泣いたり騒いだり、そのときそのときを100%本気で味わっていくのがわたしたち人間。全然投げやりじゃない、むしろ瞬間の全てに全力投球。

それがやりたくて、ここ地球に生まれてきている。

テレビドラマや映画を観なくても、
いま目の前で、画面越しではなく手を触れられる現実の中で、たくさんのドラマが起きてるよ!そしてそれは全部参加型。自分も出演者で体験できるやつ。

 

 

この世界はやっぱり楽しい◎

 

 

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